最高裁判所第三小法廷平成25年(さ)第10号 平成26年4月15日判決

       主   文

原略式命令を破棄する。
被告人は無罪。 

       理   由

 立川簡易裁判所は、平成24年6月14日,「被告人は,平成24年5月24日午前8時1分頃,東京都府中市α×-××付近道路において,指定最高速度(30km毎時)を30km毎時超える60km毎時の速度で普通貨物自動車を運転して進行した。」旨の事実を認定した上,道路交通法22条1項,4条1項,118条1項1号,同法施行令1条の2,刑法18条,刑訴法348条を適用して,被告人を罰金6万円に処する旨の略式命令を発付し,同略式命令は,同年6月29日確定した。
 しかしながら,一件記録によると,本件違反場所は,最高速度について何らの指定もされておらず,道路交通法22条1項,同法施行令11条に規定する法定最高速度(60km毎時)が適用される道路であり,被告人が最高速度を超える速度で本件車両を運転して進行したとはいえないから,前記略式命令の認定事実は罪とならなかったものといわなければならない。
 そうすると,原略式命令は,法令に違反し,かつ,被告人のため不利益であることが明らかである。
 よって,本件非常上告は理由があるから,刑訴法458条1号により原略式命令を破棄し,同法336条前段により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
検察官栗原雄一 公判出席
平成26年4月15日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 大谷剛彦 裁判官 岡部喜代子 裁判官 大橋正春 裁判官 木内道祥