道路交通法違反被告事件に係る略式命令に対する非常上告事件 最高裁判所第二小法廷平成27年(さ)第1号 平成27年6月8日判決

       主   文

原略式命令を破棄する。
被告人は無罪。

       理   由

 さいたま簡易裁判所は,平成23年4月21日,「被告人は,平成20年11月18日午後4時35分頃,埼玉県三郷市栄1丁目386番地2東京外環自動車道内回り31.7キロポスト付近道路において,普通乗用自動車(軽四)を運転して,法定の車両通行帯以外の車両通行帯を通行した。」旨の事実を認定した上,道路交通法120条1項3号,20条1項本文,4条1項,同法施行令1条の2,刑法66条,71条,68条4号,18条,刑訴法348条を適用して,被告人を罰金6000円に処する旨の略式命令を発付し,同略式命令は,平成23年5月7日確定した。
 しかしながら,一件記録によると,本件道路は,埼玉県公安委員会による車両通行帯とすることの意思決定がされておらず,道路交通法20条1項の「車両通行帯の設けられた道路」に該当しない。したがって,被告人が法定の車両通行帯以外の車両通行帯を通行したとはいえず,前記略式命令の認定事実は,罪とならなかったものといわなければならない。
 そうすると,原略式命令は,法令に違反し,かつ,被告人のため不利益であることが明らかである。
 よって,本件非常上告は理由があるから,刑訴法458条1号により原略式命令を破棄し、同法336条前段により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 
検察官野口元郎 公判出席
(裁判長裁判官 小貫芳信 裁判官 千葉勝美 裁判官 鬼丸かおる 裁判官 山本庸幸)