選挙無効請求事件 最高裁判所第一小法廷平成27年(行ツ)第254号 平成27年11月19日判決

       主   文

本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。

       理   由

 上告人兼上告代理人山口邦明,同國部徹及び同三竿径彦の上告理由について
1 論旨は,平成26年12月14日に施行された衆議院議員総選挙(以下「本件選挙」という。)のうち東京都選挙区及び南関東選挙区における比例代表選出議員の選挙について,比例代表選出議員の選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数を定めた公職選挙法13条2項及び別表第2の各規定(以下「本件定数配分規定」という。)は人口比例の原則に反しており、憲法14条1項等に違反しているから,これに基づいてされた上記各比例代表選出議員の選挙は無効である旨をいう。
 しかしながら,本件定数配分規定の下における本件選挙当時の比例代表選出議員の選挙区間における議員1人当たりの人口の較差の状況等を勘案すれば,本件選挙当時,本件定数配分規定に基づく定数の配分が国会の合理的裁量の限界を超えるものとはいえず,本件定数配分規定が所論の憲法の各規定に違反していたものとはいえないことは,最高裁平成11年(行ツ)第7号同年11月10日大法廷判決・民集53巻8号1441頁の趣旨に徴して明らかである。 
2 また,論旨は,比例代表選出議員の各選挙区の定数と当該選挙区に含まれる小選挙区選出議員の選挙区の定数の合計数により比較をすると,人口の多い選挙区の定数が人口の少ない選挙区の定数より少ないいわゆる逆転現象が生じている,公職選挙法86条の2及び95条の2所定の重複立候補制が投票価値の平等を損なうものであるなどとして,公職選挙法13条1項,2項,別表第1及び別表第2の各規定が憲法14条1項等に違反する旨をいう。
 しかしながら,上記の比較に合理性があるとはいえず,比例代表選挙の無効を求める訴訟において小選挙区選挙の仕組みの憲法適合性を問題とすることはできないことや,公職選挙法86条の2及び95条の2の各規定並びにこれらの規定を前提とした本件定数配分規定が所論の憲法の各規定に違反するものでないことは,最高裁平成11年(行ツ)第8号同年11月10日大法廷判決・民集53巻8号1577頁の判示するところであるか,又はその趣旨に徴して明らかなところである。
3 以上と同旨の原審の判断は,正当として是認することができる。論旨はいずれも採用することができない。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 小池裕 裁判官 櫻井龍子 裁判官 山浦善樹 裁判官 池上政幸 裁判官 大谷直人)